無農薬のおいしい野菜で浜松の健康に貢献!加藤農園

カテゴリー │浜松市の野菜農家さんイベントレポ

浜松 ライター 菅原
浜松駅から、ほぼ真っすぐに北上すると広がる「三方原台地(みかたはらだいち)」。ここは、ジャガイモの一大産地として全国的にも知られるエリアです。

この三方原に広がる豊かな赤土を活用し、生命力にあふれる野菜をつくっているのが加藤農園。なんと、年間100種類もの野菜を無農薬・化学肥料不使用で栽培しているそうです。

その背景には、どのような想いがあるのでしょうか?代表の加藤寿成さんにお話を聞きました。


約100種類もの野菜を無農薬で!豊かな土づくりでおいしい野菜づくり

加藤農園 浜松 野菜

▲写真は、加藤農園インスタグラム(https://www.instagram.com/katonoen/)より


加藤農園は、代表の加藤さんを中心に、6名のスタッフさん(2019年8月時点)で運営されています。栽培品目は、なんと30以上!通年で約100種類の野菜をつくっているそうです。例えば、こんな珍しい野菜も取り扱っています。

ツルの首のように細長いツルクビカボチャに、焼くとトロっとして最高の味わい白ナス。ピンクやオレンジの茎が美しいスイスチャードは、ホウレンソウと同じような使い方のできる野菜です。黒キャベツとも呼ばれるカーボロネロは、イタリアのトスカーナ地方が原産の健康野菜。デストロイヤーというちょっと怖い名前(笑)は、ジャガイモの品種のひとつだそうですよ。

このように野菜を知る楽しさも教えてくれる加藤農園では、すべての野菜を無農薬で栽培しているとのこと。さらには、化学肥料と除草剤も使わず自然の力を信じて頼る「有機農法」を大切にしているのだそうです。

防虫ネットをつかった害虫対策や、手作業の草刈りなど。たくさんの手間と時間がかかる有機農法を、加藤さんが大切にしている理由とは何でしょうか……?


野菜の栄養価は昔の半分!?栄養価の高い野菜をつくるのが加藤農園の使命
浜松 ライター 菅原

「何といっても『おいしくて栄養価の高い野菜をつくりたい』という想いなんです。なぜなら、1950年ころに比べると、今の野菜の栄養価が半分以下になっているからです」

そう言って、2005年に発表されたあるデータを見せてくれました。

「1950年当時のニンジンにはビタミンCが10ミリグラム含まれていました。ところが、2005年には4ミリグラムに減っています。ホウレンソウのビタミンCも150ミリグラムから35ミリグラムに。ほかにも、鉄分やビタミンAといった、私たちの健康を支える大切な栄養価が、この60年ほどで半分以下になっているんです」

なぜ、こんなにもの栄養価が減ってしまったのでしょう?

「大きな違いは、土です。昔は、土の中にいろんな微生物が住んでいて、野菜が必要とする栄養素をたくさん生み出していました。微生物が、落ち葉や動物のフンといった自然に存在するもの(有機物)を分解して、栄養価の高い土をつくっていたんですね。有機肥料も、米ぬかや海藻、菜種かすといった自然由来です。土に有機肥料を与えるということは、微生物にエサを与えるということ。昔の農業は、こういう土づくりをしていたんですね。

ところが、戦後、化学肥料(人工的につくられた肥料)が日本に入ってくるようになりました。実は、3大栄養素と呼ばれる、窒素・リン酸・カリがあれば野菜は大きく育ちます。化学肥料は、この3大栄養素を多くしているので、野菜が急速で成長するんですね。野菜は、地中の深くまで根っこを伸ばす必要がないので、土に含まれるほかの栄養素の吸収量が減ります。そうして、野菜全体の栄養価が下がるんです」

農薬を使わないのも、本来であれば弱くて大人になれなかった野菜を、強制的に大きくしている一面があるからだそう。

「もちろん、農薬や化学肥料は悪いもの、使ってはいけない!とは、思いません。化学肥料は安く購入できますし、畑の生産性を上げるためには農薬の力も必要です。ただ、僕自身には、より健康的でおいしい野菜をつくりたいという想いがあるものですから」

とても謙虚ながら、心の底では信念を大切にされている加藤さんの姿勢には、深く頭が下がります。


ナスにピーマン、ニンジンまで!ひろ~い畑で収穫体験!
浜松 ライター 菅原

おいしくて栄養価の高い野菜をつくっている加藤農園では、収穫体験イベントを開催しています。子どもたちが農業や野菜について考えるきっかけになればと、もう8年も続けているそうです。とくに、夏休みの親子体験イベントは大人気で、すぐに定員になってしまうほど。今年も、20名を超える参加者の皆さんが集まり、広い畑で思いっきり収穫を楽しみました♪


浜松 ライター 菅原
顔より大きなナスが採れました♪

浜松 ライター 菅原
固い赤土の中からニンジンを掘り起こすのは大変!お母さんと協力して収穫できました♪

浜松 ライター 菅原
姉妹で収穫、楽しいね☆

有機農法なので、野菜は、畑に生きるいろんな植物と一緒に大きくなります。あちらこちらにバッタが飛び交い、子どもたちは夢中で追いかけていました。

普段は内気だというお子さんも、親御さんやお友達に話しかけたり笑顔を見せてくれたり。わいわい、きゃっきゃっ。こうしたシーンを見るたびに、自然の素晴らしさを肌身に感じます。こんな平和な風景が、ずっと続くようにと願わずにはいられませんでした。


千春(ちはる)さんの「加藤農園(KATO NOEN)農園体験レポート!☆2019☆」も、あわせてご覧ください♪


加藤さんが願うこれからの農業

浜松 ライター 菅原

現在、主流になっている農薬や化学肥料を用いる慣行農法に比べ、2倍以上も手間がかかるといわれる有機農法。自然の力に頼る以上、天候の影響も大きく受けることになります。取材当日も猛暑日で、この炎天下で作業をするのは本当に大変なことだと改めて感じました。

「きれいごとかもしれませんが、栄養価の高い野菜をつくることを自分の使命だと感じているのかもしれません。有機野菜へのニーズも、これからもっと増えていくと思います」

その一方で、畑の面積を広げるのには限界があるそうです。有機農法は、栽培や丁寧に管理しないといけないためです。収穫も、ベストなタイミングで行わなければいけません。1日放置しただけで、枯れが発生したり大きくなりすぎたりしてしまいます。

加藤さんは、これからの農業についてこんな願いを語ってくれました。

「ひとつには、野菜を適正価格で買ってもらえる世の中になったらなと思います。例えばスーパーのような“1袋100円”でないと売れないというのは、コストに見合いません。

日本の野菜の価格が、全体的に安いこともあります。『野菜はこれくらいの価格』というイメージが、みなさん中に根強くあるのでしょうね。少しでも高いと『買えない』と思ってしまうんだと思います。

長い年月をかけて(高品質の野菜をつくり続け、野菜の価値を伝えて)、野菜全体の価格を上げていくしかないのかなと、思っています」

そんな世の中が実現するためにも、さらに努力を積み重ねたいとのこと。

「僕たちがつくった野菜の栄養価を分析してもらったところ、ものすごく数値が高かったんです。ニンジン(の一部の栄養価)は、一般で売られているものより2倍でした。こうした分析も進めていきたいですし、収穫量を上げる栽培技術も磨いていきたいです」

加藤農園の野菜は、私たちの暮らしをより良く変えてくれるかもしれません。例えば、少しの品数でも豊富な栄養が摂れるような料理の工夫ができます。家事や育児に忙しいお母さんやお仕事世代は、料理が楽になると嬉しいですよね。

加藤農園では、野菜の宅配もしてくれます。味が濃くておいしい野菜がみなさんの食卓にも届きます。ぜひ一度、利用してみてはいかがでしょう?


今後のイベント情報


1)カラフル野菜でピザをトッピングしよう♪VEGI SESSION(ベジセッション)
日時:2019年9月8日(日)10:00~15:00
場所:浜松ふうどラボ(お茶の間のおと内)
詳しくはこちらをご覧ください。

2)遠州バザール | 地元・遠州の「衣・食・住」で地産地商!
日時:2019年10月5日(土)・6日(日)  10:00~16:00
場所:浜松市総合産業展示館 ※入場無料
詳しくはこちらをご覧ください。

加藤農園について

所在地: 静岡県浜松市北区都田町8611
電話/FAX:053-428-5295
MAIL:katonoen.hamamatsu@gmail.com
Instagram:katonoen


 

浜松市が誇れるプレミアムなお茶カフェ「お茶の間のおと」で過ごす、プチ贅沢時間

カテゴリー │浜松市のカフェ・ランチ




浜松市東区半田山の大通りから
一本入ったところに、
浜松市が誇れるカフェがあるのを
ご存知ですか?





最高のお茶と
お茶にぴったりなスイーツが楽しめる
「お茶の間のおと」。



住宅街にひっそりとたたずむ
お茶カフェです。


緑茶色ののれんが目印です!



静岡県にこそ、最高のお茶を実体験できるカフェを


お茶の間のおとは、
宮崎洋子さんが2013年末に
オープンしたカフェ。





お茶がとにかく大好きで、
お茶マイスターの資格も持つ
お茶ソムリエの宮崎さん。

(↑お茶連呼!笑)



静岡県内はもちろん
日本全国から集めたお茶が
お茶の間のおとには揃っています。





最初はお茶の卸し業のみだったそうですが、

「もっとお茶に親しんでほしい」

「お茶どころ・静岡県の人にこそ
意外と知らない本当に美味しいお茶を
体感してほしい」


との思いから
カフェという形でオープンさせたそうです。





提供しているすべての茶葉は
茶葉農家さんと直接やり取りしているのだとか。


そのため、
実はどこにも売っていない、
農家さんの努力がわかるお茶が
飲めるのだそう!



宮崎さんこだわりのセレクションと
その味を求めて、
九州や東京など全国から
毎年のように来られるお客様も
いらっしゃるのだそう
ですよ。




極上の淹れたてを愉しめるご褒美お茶メニュー


そんな選りすぐりのお茶、
なじみのある深蒸し茶から
和紅茶まで28種類も!





本っ当に悩みますので(笑)、
迷ったら店主の宮崎さんに
聞いてみてくださいね。


季節のおすすめやお好みのものを
提案してくださいますよ^^






こちらは森町のお茶を使った
パウンドケーキと、
森町の深蒸し茶。


お茶請けのスイーツは
お茶に合わせて作ってあるので
言わずもがな、もう相性抜群!






同じ緑茶でも、こちらは
宮崎さんいわく「ちょっと変わり種」という
沖縄の浅蒸しやんばる茶。



よく知ってる緑茶とは
香りも味わいも違います!





軽い飲み口で、
苦くて濃い緑茶がちょっと…
というかたにはおすすめかも。


沖縄産の器で
淹れてくれるというこだわりにも
注目です。






夏に訪れたなら
絶対に味わいたいのが
お茶のかき氷!


今回いただいたのは
地元・天竜の有機紅茶を使った
みつのかき氷です。



温かいお茶とともに
いただくかき氷なんて、
なんて贅沢!


ほどよいお茶感と甘さで、
甘いかき氷に飽きたときは
癒されること間違いなしです♡





ひと口最中(もなか)には
和紅茶がぴったり♡


一杯分が入るティーポットで
丁寧に紅茶を淹れ、
こだわりの和菓子をいただく時間は
本当に豊かな気分に
させてもらえます。





お茶はどれも、2~3煎ほど
楽しめます。


しかも、緑茶、和紅茶など
お茶によって温度の違うお湯を
提供してくれるという
徹底ぶり!


宮崎さんの

「美味しいお茶を、
本当に美味しい状態で
飲んでほしい」

という気持ちが伝わってきます^^




一軒家を改装した、開放感ある吹き抜けのカフェ


ここでカフェ内のご紹介を!





靴を脱いであがる店内。


うん、このお店には
素足が似合う居心地です♡





テラスから日の光が入るので
店内は温かくもとても明るい雰囲気。





吹き抜けの高い天井は
開放感が満載!





奥には暖炉もあって趣があります。


冬は暖かそう♡





お一人様やカップルで
のんびり座りたいときは
窓際の席がおすすめ。





天気や気候の良い日は
テラス席も気持ち良さそうです。





そこここに、店主・宮崎さんの
センスが感じられて
思わずほっこりすること請け合い。


どこを撮っても絵になります。



早い者勝ち!のおとの空間に自分の作品が仲間入りできる!


店内のギャラリースペースには、
地元作家やアーティスト作品の
展示・販売スペースも。





絵画・イラスト・写真・彫刻・
陶芸・書・手工芸作品など、
ジャンルを問わず個展やグループ展が
行えるとのこと。





興味のあるかた、詳しくは
お茶の間のおとさんの公式ホームページ
をご覧くださいね。




のおとのお茶で、自宅でもプチ贅沢時間を


カフェで楽しめるお茶は
店内で購入することもできます。


飲んで美味しかったお茶、
気になったけど飲めなかったお茶を
買って帰れるのは嬉しい!





25g500円など
小分けの種類も豊富なので
いろいろな味を少しずつ楽しめます。



お茶って100gとかで買ってしまうと
飲み切るのに意外と
時間がかかってしまうんですが、
さすがのおとさん!


少量でいろいろ飲んでみたいという
女心(笑)を分かってくれています。





飲むお茶だけでなく、
先ほどご紹介した沖縄の器や
茶香炉などお茶グッズも豊富。


贈答品用もあるので
贈り物にもぜひ♪



「浜松市のおすすめスポットは?」と聞かれたら…


お茶や、お茶農家さんたちに対する
熱い思いを語ってくださった宮崎さん。


お茶の間のおとは
そんな思いとこだわりが
随所から感じられる
本当に素敵なカフェでした。





「浜松市でおすすめのお店に
連れて行ってよ!」

と言われたときに
自信を持って案内できる、
県外のお友達や家族を
連れて行くのにもぴったりの場所ですよ^^



お茶の間のおとで浜松市の食を知る美味しいイベント開催!


そんな素敵な居場所・
お茶の間のおとで、9/8(日)に

●夏野菜でピザづくり

●加藤農園の無農薬野菜セット販売

●お茶男子によるお茶のおもてなし


などが楽しめるイベントが
開催されます!




▲クリックで画像拡大します。



普段ののおとさんは
落ち着いた大人空間なので
子連れだと入りにくいかもしれませんが、
この日のピザ作りは
親子での参加もOKとのこと。


※予約制なので、お急ぎを!



ご予約や詳細はお茶の間のおとさんのブログをご覧くださいね。





のおとさん、
このたびはどうもありがとうございました!



お茶の間のおと
静岡県浜松市東区半田山5-25-1
営業時間:10:10〜17:00
定休日:日、月
※お店の北西側に第2駐車場あり
http://www.ocha-noto.com/







この記事を書いた人

鈴木秋香(あっか)
8歳♠6歳♥️2歳♠子育て中。「好きも収入も家庭も欲張りに!」をすべて叶えるブログ・Facebook・インスタグラム集客講師、カメラマン・ライター、手帳術講座を開催。180人以上のコミュニティ「浜松市起業女性の会スピカル」代表を務め、発信の威力で起業女性の力を浜松市から全国へ広げている。
ブログ / Facebook / ツイッター / インスタグラム







 

春野産の野菜で食卓に笑顔を咲かせる!笑顔畑の山ちゃんファーム

カテゴリー │浜松市の野菜農家さん

浜松 ライター 菅原
浜松市天竜区春野町(以下、春野)。浜松の街なかから車で走ること約1時間で辿りつける、山あいの町です。きらめく緑と川のせせらぎーー。私たちのすぐ近くに、こんなにも自然豊かなエリアが広がっているのは、とても貴重なことだと思います。

この春野の自然に囲まれて「子どもたちに未来をつなぐ」ため、おいしい野菜をつくり続けている農園があるのをご存じですか?笑顔畑の山ちゃんファーム代表の山下光之さんに、春野の魅力や農業への想いを教えていただきました。

笑顔畑の山ちゃんファームとは?

浜松 ライター 菅原
「喜び・感動・笑顔の和をつなげる農業」を実践する、春野で100年以上つづく農園です。現在の代表、山下光之さんで4代目になるそうです。

山ちゃんファームの畑は、山下さんのひいおじいさんが開拓してくれたもの。移住当時は、荒地だった土地を、牛や人力で何年もかけて耕してくれました。その苦労の裏にあったのは「子どもや孫が、この土地でずっと生活を営んでいけるように」という、ひいおじいさんの想い。そのストーリーは、山下家に代々語り継がれています。

春野の豊かな自然に囲まれて、のびのびと育った山下さん。樹齢1,300年を越える春野杉のパワースポット、飛び込んだり魚を捕まえたりした思い出の気田(けた)川。豊かな子ども時代を過ごした、温もりあふれる春野が大好きだそうです。

「ゆくゆくは僕も農業をやるんだろうな」。自然とそう思うようになったそうです。年を重ねるにつれ、先祖代々守りつがれてきた畑への感謝の気持ちも大きくなっていきました。実家を継ぐために、東京農業大学で土壌学を学びました。

「いろんな経験ができたけれど、東京は苦しかったですね。都会のゴミゴミした感じがとても苦手で......。早く春野に戻りたいと思っていました」

大学を卒業して2年後、24歳で春野に戻り実家を継ぎました。「おいしい野菜をつくって届け、人々の笑顔を増やしたい」という想いを胸に。

浜松 ライター 菅原
▲思い出の気田川沿いには、約100本もの桜並木が。これは、山下さんのおじいさんが、町の皆さんと協力して植えたもの。春には満開の花が、春野の人々の心を和ませています。


若くしてぶつかった人生どん底の時期

浜松 ライター 菅原
大好きな春野に戻り、夢だった家業に携わった山下さんですが、数年後に経営の危機に見まわれます。気候変動の影響を受けて、当時の主力産品だったチンゲンサイの収量がどんどん減っていったのです。経営は行きづまる寸前でした。

「おいしい野菜をつくるために大切にしてきたことよりも、お金(収益)のことしか見えない時期が長く続きました。もうダメだ……ギリギリまで追い詰められていたんです」

ある日、そんな山下さんを変える出来事が起こります。

「中村文昭さんという先生の講演を聞く機会があったんです。テーマは『何のために、誰のために』でした。身震いがしましたね。あぁ、僕は農業を『何のために、誰のために』しているんだろうと思って。それまでの僕は、できないことを環境のせいにしたり、人のせいにしたりしていたんです。自分の原点をもう一度考えるきっかけをもらいました」

それから、山下さんは、さまざまな勉強会に参加して「自分の農業」を見つめ直します。「おいしい野菜をつくり届け、人の笑顔を増やしたい」という初心を、だんだんと取り戻していきました。ついに2012年、笑顔畑の山ちゃんファームへと農園名を変更。経営理念も「農業を通して、喜び・感動・笑顔の和をつなげる」に定め、新たなスタートを切ったのです。

浜松 ライター 菅原
▲新たに実を結んだキュウリと花


山ちゃんファームの3つの使命!

浜松 ライター 菅原
大きな困難を乗り越えて、自分がすべき農業のあり方に辿りついた山下さんには、“3つの使命”があるそうです。

1つは、農業で春野町を元気にするということ。春野や農業の魅力に触れてもらう、たくさんの農業体験イベントを開いています。田んぼに入るときの足の感触や、原木に打ったシイタケの菌が育って食べられるようになることなど。畑での体験を通して、子どもたちに命の感動を味わってもらっているそうです。

2つは、農業者として、食の大切さを伝えるということ。人間は、ほかの生き物の命をもらって生きています。そのことを、農業体験会ではもちろん、地域の中学校でも伝えているそうです。

そして、3つ目が、山ちゃんファームの野菜で食卓を笑顔するということです。山下ちゃんファームのメンバーも「とにかく楽しく!」を、モットーに野菜をつくっているそうですよ!

「今では、自分の役割や使命をきちんと分かっていて、その道をしっかり歩いているという感覚があります。辛かったどん底の時期も、自分が大切にしたい想いを形にする良い機会だったんだと思えます。人生が楽しいですよ。大変なことはいろいろとありますけれどね」


誰もが豊かに生きていける春野を実現するために

浜松 ライター 菅原
春野の中にも外にもたくさんの笑顔を生み出しつづける山ちゃんファーム。これからは、どのように展開していくのでしょうか?

「春野の魅力を、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。春野という町は、皆さんが想像する以上に ”開けた田舎” なんですよ。こんなにも豊かな自然が広がっているのに、浜松の街なかも近ければ、新東名を使えば東京まで車で3時間ほど。

ですが、若い人の多くのは、春野の外へ出ていってしまいます。それは、春野に仕事がないからなんですね。都会に移った人でも『本当は、春野が大好き。仕事さえあれば、春野に戻りたい』という人はたくさんいます」

山下さんのひいおじいさんが、子どもや孫のためにと畑を切り拓いてくれたように、雇用を産める新しい仕事を創りたいーー。そんな想いから『山のするめ大根』の生産を開始しました。

山のするめ大根

「『山のするめ大根』は、そのまま料理に使える切干し大根です。噛めば噛むほどダイコンの甘みとうま味が広がる、春野の名産品です。材料のダイコンは、地元の農家さんがつくってくれたもの。そのダイコンを山ちゃんファームが仕入れ、特別に加工して販売することで、農家さんの収入にしてもらう仕組みになっています。そうした地域の人材活用を含めて『山のするめ大根』が、プロジェクトとして春野の活性化につながったらいいなと思っています」

「山のするめ大根プロジェクト」のほかにも、耕作放棄地の再生に取り組む「春野耕作隊」も立ち上げたそうです。地元の人の口に入る野菜を耕作放棄地でつくれたらと、トウモロコシを育てて町内で販売しています。農家仲間のほか、近隣の大学にあるボランティアサークルと共同で進めているとのこと。

「『春野耕作隊』の理念は『春野を耕し、春野を育て、春野で生きる』です。春野という町ごと耕して、魅力や人をみんなで育てていき、誰もが楽しく生きていける町にするという意味です。少しずつ、同じ思いの仲間が繋がるようになってきましたね。5年後10年後には必ず形になると信じて、日々向き合っています」

浜松 ライター 菅原
▲桜の樹の間から差し込む陽の光


次回のイベント情報:さわやかな秋風感じる、稲刈り体験Day!
日時:2019年10月19日(土)10:00~13:00
※雨天の場合は、10月26日に順延します。
集合場所:春野ふれあい公園駐車場(浜松市天竜区春野町領家45-1)

スケジュール
 09:45  受付
 10:00 田んぼに移動 説明
 10:15 稲刈り・はざかけ
 11:45 休憩
 12:00 新米でおにぎりづくり
 13:00 解散

参加費 ※昼食代・保険料込み 
 大人 2,500円
 中高生 1,000円
 小学生  500円
 未就学児 無料

メルマガにご登録いただいた大人の方は、参加費が500円オフになります!
メルマガは、山のするめ大根ホームページよりご登録ください♪

詳細は、Facebookイベントページにてご覧ください。

笑顔畑の山ちゃんファーム

所在地:静岡県浜松市天竜区春野町堀之内128
電話/FAX:053-985-0128
MAIL:info@yamanosurume.com
ホームページ:http://www.yamanosurume.com/